ダンジョン飯

ダンジョン飯、読んだ。

ダンジョンマスターっぽいとか色々聞いてて楽しみにして読んで、そしてその期待は果たしてヒットした。

ダンジョンを探索するにあたって、食料的な補給はダンジョン内で行おう(モンスターを狩って食おう)というこの話。最初にきのこモンスターを食うあたりや、多彩な罠の演出の辺りが確かにダンジョンマスターを彷彿とさせる。しかしあのゲームは切って食う以外の選択肢はないので、丁寧な調理(ここ大事)が施される本作は、また違う雰囲気だろう。

それよりも何よりも惹きつけられるのが、絵と演出その他から滲み出る狂気。主人公とも言える戦士ライオスの、魔物のことを知りたい、味まで知りたいという愛にも似た欲望で展開する話なのだが、これはもうハンニバル・レクターと変わらない。

大体第一話からライオスの妹がメキメキと音を立てながらドラゴンに食われるシーン、そのドラゴンを食ってもいいものかと考えを巡らせる一行。この流れからして軽く猟奇的。

そしてヒロイン的な役割のエルフのマルシル。この娘はいじられキャラで物語の中で非常に愉快な感じに傷めつけられるのだけれど、これがなんだか加虐趣味的なものを感じる。色々なものを省略してハッキリ言うと、きっとマルシルは最終的にライオスに食べられちゃうのかなぁと。亜人まで狩りと食事の対象になっていることから考えて、これはみんな感じていることだと思う。話数が進むに従って例の特徴的なエルフの耳が餃子みたいに美味しそうに変化しているのも見逃せない。さらにRPG的な世界観で死んでも容易に蘇生が可能なようであるので、こういったエピソードも不可能では無いはずだ。そんな猟奇的事後でも「なんてことするのよー」といったセリフの一言で片付けられてしまうのだろう。

そんなダンジョン飯。 恐ろしい作品だ。